ターゲティングとは? 最適な顧客セグメントの見定め方

マーケティング施策を立案される方々の中には、自社のターゲットとする市場や、ターゲットとする顧客を決める際、以下のお悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
- ・効果的な顧客セグメンテーションの仕方にはどんなものがあるの?
- ・ターゲティングによる市場開拓や効率的なリソース配分の方法を知りたい!
- ・データを活用した顧客理解とマーケティング施策の最適化はできないか
そこで本記事では、ターゲティングの遍歴や重要性に加え、ターゲティングに欠かせない顧客セグメンテーションのフレームワークをお伝えします。
<目次>
・ターゲティングとは
・ターゲティングに欠かせない顧客セグメンテーション
・di-SCHOP®で実現する顧客ターゲティングプロモーション
・di-SCHOP
・まとめ
ターゲティングとは
ターゲティングとは、顧客の特性や行動にもとづいた市場の細分化(セグメンテーション)を行い、自社が狙うターゲットを選定することです。従来はマスメディアを活用した一方向のマーケティング施策が主流でしたが、デジタル技術の進化により、データを活用した精密なターゲティングが可能になりました。
現在では、AIやリアルタイムデータ分析の技術が向上しており、顧客の未来行動を予測して最適なタイミングで広告を配信するなど、顧客体験を向上させつつ、企業の競争力を高める重要な手法となっています。
本章では、ターゲティングの遍歴に加え、ある企業におけるデータを活用したターゲティングの成功事例を紹介していきます。
ターゲティングの遍歴
時代 | 主な手法 | 特徴 |
マスメディア時代 (1990年代以前) | ・テレビ ・ラジオ ・新聞 など | 基本的な属性(年齢、地域など)でターゲットを絞った、一方向の広告 |
データベース時代 (1990~2000年代) | ・顧客リスト ・購買履歴 など | 顧客ごとのデータを活用し、メッセージを個別化 |
デジタル時代 (2000~2010年代) | ・検索エンジン ・SNS など | 行動履歴や興味関心から、リアルタイムでターゲティング |
デジタル時代 (2010~2020年代) | ・DMP(Data Management Platform) ・CDP(Customer Data Platform) など | ビッグデータや、顧客一人ひとりの属性・行動データを収集・蓄積・統合するためのデータプラットフォームを構築・分析した上でのターゲティング |
AI活用の時代 (2020年以降) | ・AIと機械学習による予測型ターゲティング | 顧客の未来行動を予測し、最適なタイミングで広告配信 |
AI技術が進化した現代では、リアルタイムでのデータ分析が可能になり、ターゲットの予測や最適化が従来の手法とは比較にならない精度で実現されています。
たとえば、NetflixのレコメンデーションエンジンやAmazonのパーソナライズド広告などが革新的なデータ活用の事例といえるでしょう。こういった革新に伴い、ターゲティングがもたらす価値もどんどん向上しています。
ターゲティングがもたらす価値 | 従来の手法 | 現在の手法 |
ターゲティング精度 | 基本的な属性(年齢、地域など)にもとづく | 基本的な属性に加え、興味関心や行動履歴などにもとづく |
反応測定 | アンケートや売上データのみ | クリック率や滞在時間なども測定 |
コスト効率 | コストが高く、効果が低い | コストが安く、効果も見込める |
顧客体験 | 一律的なメッセージ配信 | パーソナライズされたメッセージ配信 |
従来のマーケティング施策は、顧客が受動的に情報を受け取るプッシュ型が基本でしたが、現代では、顧客が興味を持つ情報を自発的に受け取るプル型へと移行しています。企業としては、そういった市場のパラダイムシフトに対応するために、高精度なターゲティングを通して顧客との新しい関係を築けるかどうかが重要になっています。
データを活用したターゲティング
データを活用したターゲティングは、データから顧客のニーズや行動を分析し、精密かつ効果的にマーケティング施策を行う手法です。
現代のターゲティングでは、以下の理由からデータが欠かせません。
理由 | 補足 |
精度の向上 | 行動履歴や購買データから顧客の興味を分析し、パーソナライズされたアプローチができる |
リアルタイム性 | 現在のユーザー行動に即した広告配信やメッセージの送信ができる |
効果測定の容易さ | クリック率や購入率などをデータで可視化し、施策の効果を測定・改善できる |
データを活用したターゲティングの事例は、次のとおりです。
事例 | 内容 | 成果 |
Amazonのレコメンド機能 | ユーザーの閲覧・購入履歴から商品を推薦する機能 | 購入意欲を刺激し、クロスセルなどを実現 |
Facebookの広告 | ユーザーの興味・行動データから、精密な広告ターゲティングを実施 | 広告のクリック率向上と無駄な配信の削減 |
Netflixの提案機能 | 視聴履歴や評価データをAIで分析し、個々のユーザーに合った作品を提案する機能 | 視聴時間の増加とエンゲージメントの向上 |
上記の事例から、データを活用したターゲティングは、マーケティング施策を「顧客との関係構築」に進化させる鍵といえるでしょう。この手法を活用できると、企業は効率的かつ効果的なターゲティングを実現し、市場での優位性を確立できるため、現代では欠かせない手法といえます。
ターゲティングに欠かせない顧客セグメンテーション

顧客を特性やニーズに応じて分類することを顧客セグメンテーションといいます。分類した顧客セグメントごとに、ニーズや好み、購買パターンなどの理解を深めることで、効果的なマーケティングを実施できます。
しかし、顧客セグメンテーションをするためのフレームワークは多種多様に存在し、業界や自社の課題に合った手法を使わなければ、効果的な課題解決にはつながりません。
そこでここからは、代表的な顧客セグメンテーションのフレームワークの活用事例に加え、セグメントごとのデータから導き出す顧客インサイトの重要性を解説していきます。
顧客セグメンテーションのフレームワーク
顧客セグメンテーションをするための代表的なフレームワークをご紹介します。
フレームワーク | 概要 | 項目 | 活用事例 |
9segs | 顧客層を9つの主要な顧客セグメントに分類し、アプローチすべき顧客層を明確化するためのフレームワーク | ・ロイヤル顧客 ・一般顧客 ・離反顧客 ・認知/未購買顧客 ・未認知顧客 ※上記の未認知顧客以外の項目を次回の購買意向を「積極」or「消極」でそれぞれ分類する | 顧客層の分類の結果、例えば、積極・認知/未購買顧客が多い場合、商品・サービスの業態にもよるが、初回購入の心理的ハードルを下げるための試供品の無料配布や、サイト内の初心者向けのコンテンツの拡充などを行う |
STP | 市場を細分化し、適切なターゲットとポジショニングを決定するフレームワーク | ・Segmentation(市場の細分化) ・Targeting(ターゲティング) ・Positioning(ポジショニング) | ターゲット層を絞り込み、競合との差別化を図る |
RFM分析 | 既存顧客の価値を評価し、セグメント化するためのフレームワーク | ・Recency(最近の購買) ・Frequency(購買頻度) ・Monetary(購買金額) | 顧客ロイヤリティを把握し、重要な顧客層にリソースを集中する |
ペルソナの策定 | ターゲットを一人の人物として定義するフレームワーク | ・ライフステージ ・デモグラフィック ・価値観 ・メディア習慣 ・インフルエンサー影響度 ・購買⾏動 ・カテゴリー習慣 ・機能的便益指向性 | 1⼈の人がイメージできるくらいにペルソナを突き詰めることで、訴求内容とプロモーション施策を一貫した強いものにしていく |
上記のフレームワークを使い分けることで、顧客セグメントを効果的に定義し、戦略的なマーケティング施策の構築が可能となります。それぞれの特徴と活用例を参考に、自社の状況に合ったフレームワークを選択しましょう。
データから導き出す顧客インサイト
適切な顧客セグメンテーションができれば、セグメントごとの顧客インサイト(顧客の深層的なニーズや動機)を理解することで、より効果的なマーケティング施策につながります。データ分析によって得られる顧客インサイトの例は、次のとおりです。
データ分析方法 | 内容 | 得られる顧客インサイト例 |
購買データ分析 | 購入履歴や購買頻度、購入金額を分析し、顧客の行動パターンを特定する | ・高頻度購入者は「手軽さ」を重視している ・低頻度購入者は「価格」に敏感 など |
Web行動データ分析 | Webサイトの閲覧履歴、クリック率、離脱ポイントなどを分析する | ・特定ページでの離脱が多い場合、価格や情報量が原因となっている など |
レビュー分析 | 顧客からのフィードバックをテキストマイニングで分析し、感情やキーワードを抽出する | ・顧客が「信頼性」や「デザイン」を購入の決め手と考えている など |
セグメント間の比較分析 | セグメントごとに購買行動やWeb行動の違いを比較し、それぞれの特性を把握する | ・若年層は、プロモーションの影響を受けやすい ・中高年層は、口コミを重視 など |
上記より、顧客インサイトの発見には、データ分析が不可欠といえます。
購買データや行動データなどのデータ分析を活用し、セグメントごとの「本音」や「隠れたニーズ」を捉えることで、顧客満足度の向上や市場での競争優位性を獲得できるでしょう。
di-SCHOP®で実現する顧客ターゲティングプロモーション

弊社が提供する「di-SCHOP®」では、自社のサービス、商品に合った顧客セグメントの特定と、顧客へのアプローチから分析まで、ワンストップでご活用いただけます。
また、アンケート型のコンテンツを通しユーザーにおける商品・サービスへの理解を深め、予算に応じた送客数を保証するため、リスクを下げながらプロモーション効果のアップにつなげられるサービスです。サービスの概要をご覧いただき、是非ご活用ください。
di-SCHOP®のサービス概要
「di-SCHOP®」はアンケート型プロモーションを活用した、見込み顧客蓄積型プロモーションパッケージです。 約1億のdポイントクラブ会員をもとに、セグメントを設定した顧客に対してプロモーションを実施します。貴社のサイトへ送客する数を保証いたしますので、多くの来訪者が期待できます。
サイトの来訪者に関する情報は、「見込顧客データ」として蓄積します。来訪者に対して、再度の来訪を促すリターゲティング広告を配信します。加えてCV促進配信により、さらなる追加の送客も行いますので、売上アップなどのコンバージョンも期待できます。オプションで、見込顧客データの分析やアンケート調査も行えます。
アンケート型プロモーションの活用
「di-SCHOP®」ではアンケート型プロモーションを用いた送客を実施しています。アンケート形式でユーザーが能動的に関われるため、商品理解を深めた上でキャンペーン等の訴求を行う事ができるフォーマットとなっております。
「di-SCHOP®」の詳細については、こちらのページをご確認ください。
di-SCHOP<Insight&Promotion PKG>

di-SCHOP<Insight&Promotion PKG>(ディーアイスコップ <インサイトアンドプロモーションパッケージ>)は顧客インサイトの発見、インサイトを基にした親和性の高いユーザー層へのアプローチ、d ポイントクラブ会員基盤上でのID管理・連携による精緻な効果検証、勝ちパターンを導き出してPDCAサイクルに乗せるまでをパッケージ化しています。
精度の高い顧客セグメンテーション
di-SCHOP<Insight&Promotion PKG>では、行動ログなどの大規模ドコモデータとアンケート調査回答を活用することで、精度の高い顧客セグメンテーションを可能にします。
ドコモデータは株式会社ドコモ・インサイトマーケティングが提供するdi-PiNK DMPのデータを利用します。di-PiNK DMPは、位置情報やアプリ利用などの行動ログのほか、ドコモの会員属性情報や家族構成・余暇行動・購入前行動・ライフスタイルなどに関する多岐にわたる情報を保有しています。
アンケート調査では、自社の商品やサービスへの需要のある生活者層のほか、競合商品・サービスを利用しているがブランドコミットメントの低い生活者層などを特定します。さらに、商品やサービスカテゴリーの利用有無・頻度・利用意向や自社と競合のブランドイメージや魅力なども把握することで、顧客化やブランドスイッチに影響を及ぼす要素を洗い出します。
これらのドコモデータとアンケート調査回答を組み合わせて、最適なセグメンテーションを可能にします。
パーソナライズされた広告配信
di-SCHOP<Insight&Promotion PKG>では精度の高いセグメンテーションに加えて、パーソナライズされた広告配信にも対応しています。
セグメンテーションに利用したドコモデータとアンケート調査回答から、生活者の意識・態度・行動変容を促すWhat to Sayを発見してクリエイティブを開発、さらに効果的なタッチポイントを見つけ、最適なHow to Sayによるアプローチを実現します。
これらにより、精度の高いセグメントに対してパーソナライズした最適なアプローチで顧客化/ブランドスイッチを促します。
効果測定と改善
di-SCHOP<Insight&Promotion PKG>は広告配信をした後に効果をログ情報やアスキングで測定できるため、広告戦略の改善に取り組めます。
di-SCHOP<Insight&Promotion PKG>では、顧客理解からプロモーション、効果検証に至る工程のすべてを1ID(シングルソース)で管理します。そのため、事前に特定した生活者が、自社からのアプローチを経てどのように意識・態度・行動変容したのかを精緻に把握できます。また、それらの変容に影響を与えた要素・要因もアンケート調査や行動ログなどから理解することができます。
これらの情報から勝ちパターンを解明して、PDCAサイクルを構築することが可能です。
di-SCHOP<Insight&Promotion PKG>の詳細については、こちらのページをご確認ください。
まとめ
本記事では、ターゲティングの遍歴や重要性に加え、ターゲティングに欠かせない顧客セグメンテーションのフレームワークなどを紹介しました。
ターゲティングは、適切なセグメンテーションとデータの活用を通じて、効率的なリソース配分や市場開拓に大きく貢献できます。
本記事で紹介したフレームワークやデータ活用手法を実践することで、顧客理解の深化やマーケティング施策の最適化を図ることができます。自社の課題解決や競争力向上のために、これらの手法を活用してみてはいかがでしょうか。
最後までご覧いただきありがとうございました。
弊社ドコモ・インサイトマーケティングは、NTTドコモの会員基盤や位置情報、インテージのリサーチ・データ分析のノウハウを融合し、顧客理解・可視化からプロモーションまでトータルで支援し、貴社の課題に合ったソリューションをご提供します。
記事内でご紹介した
をそれぞれご確認ください。
※当サイト内に掲載されている商品・サービス名称等は、それぞれの会社の商標又は登録商標です。