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データ分析で活用できる11の手法をわかりやすく解説

データ分析において、以下のお悩みを抱える方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、データ分析の定義や目的に加え、代表的な11個のデータ分析手法を紹介し、分析に役立つツールもお伝えします。



<目次>
・データ分析とは何か
・部門・職種によって分析すべきデータは違う
・代表的な11個のデータ分析手法
・データ分析のメリット・デメリット
・データ分析に役立つツール
・まとめ

データ分析とは何か

データ分析とは、収集したデータに統計学などを用いて整理し、意思決定に役立てるプロセスを指します。

主な目的はこちらです。

データ分析の種類とレベルは次のとおりです。

種類概要
定量データ売上やアクセス数などの数値化されたデータ
定性データ顧客の意見やアンケートの自由回答などの数値化が難しいデータ

レベル概要
記述統計データの要約や分析をすることでデータの特徴や傾向をつかむ
推測統計限られた一部のデータから調査対象の母集団全体の特徴を推測する

これらのデータ分析のメリットは以下の通りです。

データ分析はビジネス成長を支える重要な手段といえるでしょう。

部門・職種によって分析すべきデータは違う

部門や職種によって、分析の目的や対象となるデータは異なります。一例ではありますが、各部門のデータ分析の目的と対象データ事例は次のとおりです。ご自身の所属している部門の箇所をご確認ください。

部門データ分析の目的対象データ事例
マーケティング部門・顧客行動の理解
・戦略立案とROI向上
・顧客データ: 属性、購入履歴、閲覧履歴、SNSでの行動
・キャンペーンデータ:効果(CTR、CvV等)、反応
・競合データ:売上、シェア、マーケティングアクティビティ
・市場データ:規模、トレンド
営業部門・売上向上施策立案
・営業効率の最大化
・顧客データ:業種、購入履歴、商談履歴、顧客満足度
・売上データ:売上、利益率、平均購入金額
・営業活動データ:商談件数、成約率
製品開発部門・製品の競争力強化
・顧客満足度向上
・製品データ:性能、品質、コスト、顧客満足度
・開発プロセスデータ:開発期間、費用、トラブル数
・市場データ:競合製品、顧客ニーズ
人事部門・人材育成
・組織開発
・採用戦略の改善
・従業員データ:年齢、役職、スキル、勤続年数
・人事評価データ:パフォーマンス評価、昇進履歴、研修受講状況
・採用データ:採用人数、採用コスト、採用に要した期間
生産部門・生産効率向上
・コスト削減     
・生産データ:稼働率、不良品率、納期遵守率、設備稼働率
・コストデータ:原材料費、設備コスト
・品質データ: 品質検査結果、顧客クレーム件数

たとえば、マーケティング部門では顧客行動や市場トレンドの理解に焦点が当てられる一方、生産部門では生産効率やコスト削減が重視されます。

それぞれの部門が扱うデータの種類と分析の方向性を正確に把握することが、効果的な分析の鍵といえるでしょう。

代表的な11個のデータ分析手法

ここからは、代表的な11個のデータ分析手法の特徴と適用できるケースの事例を紹介していきます。

分析手法特徴適用ケース事例
回帰分析データ間の関係をモデル化し、結果に影響を与える要因を特定する・売上予測
・需要予測
・価格設定の最適化 など
クラスター分析データを似た特徴でグループ化し、パターンを見つける・顧客セグメンテーション
・市場の細分化 など
時系列分析時間経過に伴うデータの変化を分析し、将来を予測する・売上やアクセス数のトレンド予測
・需要予測 など
因子分析複数の変数から共通因子を抽出してデータの構造を簡略化する・顧客の心理分析
・製品評価要因の特定 など
決定木分析意思決定ルールを階層的に可視化し、結果を予測する・成約率予測
・顧客分類 など
ロジスティック回帰分析「顧客が商品を購入する or しない」「夫婦が離婚をする or しない」などの、結果が2値データのどちらにどの程度の確率でなるかを予測する・成約率予測
・離職率予測 など
アソシエーション分析データ間の相関を見つけ、ある事象が起こると、別の事象も起こりやすいというような、特定の項目が発生した際に他の項目が発生する確率を分析する・購買履歴(バスケット)分析
・クロスセル戦略 など
主成分分析データを簡略化し、重要な特徴のみを抽出して分析する・データの可視化
・ノイズ除去 など
感情分析テキストデータなどから感情や意見を判定して分析する・SNS分析
・口コミやレビュー分析 など
判別分析データを複数のグループに分類して分析する・顧客分類
・信用リスク分析
・スコアリング など
人流データの分析特定のエリアにおける人の動きや流れを数値化することで、エリアの特徴や傾向を分析する・携帯電話の基地局運用データを用いた分析
・GPSデータを用いた分析

上記の手法は、分析するデータの性質や目的によって適切なものを選ぶ必要があります。

たとえば、成果に影響度の大きい要素を把握したい場合は回帰分析が適しており、顧客を分類したい場合はクラスター分析や判別分析が有効です。

また、分析結果を活用する際は、結果が示す内容をどのように業務改善や意思決定に結びつけられるかが重要なポイントとなります。

特に、データが多様化・複雑化する中で、単一の手法ではなく複数の手法を組み合わせることで、より深い分析結果を得られる可能性が高まるでしょう。

そのため、データ分析に携わる人は、これらの手法を適切に選び活用するスキルを身に付けることが求められます。

近年、注目されつつある手法とは?

さまざまな分析手法がある中で、サードパーティーCookieの規制が強まる昨今、注目されつつある手法があります。

それは、データクリーンルームといい、複数のデータソースを統合しつつ、プライバシーを保護しながらデータを分析するための環境を指します。

データクリーンルームの特徴は、次のとおりです。

特徴補足
プライバシー保護個人情報を含むデータを安全に共有・分析できる
高精度な分析複数のデータソースを組み合わせることで、高精度な分析ができる
広告戦略の最適化ターゲティング精度の向上やキャンペーン効果を測れる

ほかにも、前章でも触れた「人流データ分析」の注目も高まっています。

この手法では、GPSやモバイルデータを用いて、人々の移動や滞在状況を匿名化して分析できるため、以下のような用途に活用されています。

活用事例補足
エリア戦略特定地域の来訪者属性や動線を把握し、新店舗計画に活用できる
イベント分析大規模イベントの来場者分析や集客効果の検証ができる
交通計画混雑緩和や公共交通の需要予測ができる

人流データを分析することで、リアルタイムの人々の行動パターンが把握でき、エリアマーケティングや施策立案の精度が大幅に向上します。

特に、匿名化された安全な環境での分析は、プライバシー保護が求められる現代においても欠かせない手法となっています。

以上から、データクリーンルームと人流データ分析は、今後のデータ分析や活用において非常に有望なアプローチといえるでしょう。

データ分析のメリット・デメリット

適切にデータ分析を実施できれば、組織に多大な価値をもたらしますが、一方で課題や制約が発生する可能性もあります。

データ分析の具体的なメリット・デメリットはこちらです。

メリット詳細
意思決定の精度向上・感覚や経験ではなく、根拠に基づく意思決定が迅速に行える
業務効率化・生産ラインの稼働率をデータでモニタリングし、無駄な作業を削減できる など
トレンド予測とリスク管理・データ分析を通じて、市場や顧客の動向を把握できる
・株式市場や金融リスクなどの潜在的なリスクに対応できる など
顧客理解とサービス向上・顧客のニーズや行動パターンを理解し、それに応じた商品やサービスを提供できる など
競争力の強化・顧客ニーズを先取りする製品開発やマーケティング施策の構築に役立つ など

デメリット詳細
ツールやシステム導入のコスト・高度なデータ分析を行うには、専用のツールやシステムが必要
・初期費用に加え、メンテナンスやアップデートの費用も必要

データ分析を行う際は、上記のメリット・デメリットを把握し、バランスよく分析を進めることが成功の鍵といえるでしょう。

データ分析の流れ

データ分析を実施する際は、ステップに沿って進めていきましょう。それぞれのステップの内容と注意すべき点は次のとおりです。

ステップ内容注意点
データ収集必要なデータを収集し、分析に利用できる形式にまとめるデータの信頼性を確認し、分析目的に合致した情報を収集する
データクリーニングデータの欠損値や異常値を処理し、正確な分析を行える状態に整えるノイズやエラーを見逃さず、適切に対処する
データ分析適切な分析手法やツールを選択し、データを処理して分析結果を得る分析手法が目的に合うかを検討し、分析結果を過信しすぎない
結果の解釈結果をグラフやチャートに整理し、意思決定者に分かりやすく伝える結果の解釈が主観的にならないよう、データの裏付けを確認する

さらに、分析におけるツールを選ぶ際のポイントは、以下です。

データ分析の各ステップで適切なツールを選び、効率的に分析を進めることで、分析結果の精度と活用の幅に差がつきます。

ツール選びは戦略的な意思決定を支える重要な要素といえるでしょう。

データ分析に役立つツール

データ分析に役立つツールとして、以下の3つを紹介していきます。

さらに、一般的なデータ分析手順に加え、各ステップで注意すべき点やツール選びのポイントなどもあわせて紹介します。

di-PiNK DMP(ディーアイピンクディーエムピー)

di-PiNK DMPは、マーケティング部門での顧客データ統合やキャンペーン効果測定に加え、営業部門での顧客行動データに基づくアプローチ戦略の構築などに役立ちます。

具体的には、以下のような顧客情報を一元管理・分析できるプラットフォームです。

把握できる詳細データ項目事例検討できるアクションプラン
ドコモの
会員属性
・男性/女性
・居住都道府県
・10~70代
・顧客に適したWEB広告施策
・アンケート実施
・CRM施策
・オフライン施策(店頭送客) など
位置情報・最近引っ越しした人
・在宅勤務の人
・居住地の坪単価
アンケート回答内容・興味/関心
・家族構成
・今後3ヶ月の購買予定
オウンド
サイト閲覧・ TV視聴履歴
・オウンドサイト接触
・スポーツ番組視聴が多い
サービス・
アプリ利用
・オフライン行動
・オンライン行動
・アプリ履歴利用

つまり、顧客属性データやオフライン・オンライン行動履歴、アプリ履歴利用データなどを統合して分析できます。

結果として、顧客セグメントに応じたWEB広告施策などが可能で、マーケティング施策の効果を可視化できる優れた分析プラットフォームといえるでしょう。

di-PiNK DMPの詳細については、こちらのページをご確認ください。

ドコモ データクリーンルーム

ドコモ データクリーンルームは顧客の属性や興味関心、行動などから顧客一人ひとりの特性を深く理解することで、下記のように様々な部門で役立ちます。

また、複数のデータソースを統合し、プライバシーを保護しながら高度な分析ができるという特徴があります。

匿名化された安全な環境での分析は、プライバシー保護が求められる現代の欠かせないツールだといえるでしょう。ドコモ データクリーンルームの詳細については、こちらのページをご確認ください。

モバイル空間統計

モバイル空間統計は、ドコモの携帯電話ネットワークの仕組みを使用して作成される人口の統計情報であり、1時間ごとの人口を、24時間365日把握することができます。

具体的には、以下の部門で役立つでしょう。

モバイル空間統計は、エリアマーケティングや人口動態の把握などに活用され、エリアにおける顧客属性や動線を分析することで、戦略立案を支援してくれるデータです。

モバイル空間統計の詳細については、こちらのページをご確認ください。

まとめ

本記事では、データ分析の定義や目的に加え、代表的な11個の分析手法と役立つツールを紹介しました。

データ分析は、部門ごとの目的に応じて手法やデータを選び、適切に活用することが大切です。ツールの導入や分析手法の選択肢を広げることで、業務改善や意思決定の精度を高められるでしょう。

本記事で紹介した各ステップでの注意点も意識しながら、データ分析力を高めて課題を解決してください。

最後までご覧いただきありがとうございました。

弊社ドコモ・インサイトマーケティングは、NTTドコモの会員基盤や位置情報、インテージのリサーチ・データ分析のノウハウを融合し、顧客理解・可視化からプロモーションまでトータルで支援し、貴社の課題に合ったソリューションをご提供します。

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